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2010年2月 3日 (水)

熊野大社(H21.4.21)

●熊野大社(島根県松江市八雲町熊野2451)
出雲国には一之宮が二つ存在します。出雲国西寄りの旧大社町にある出雲大社と東寄りの旧八雲村にある熊野大社です。熊野大社の創建は神代で、初見は「日本書紀」(720)の斉明天皇5年(659)に「出雲國造を厳神の宮をつくらしむ」との記載があります。「出雲国風土記」(733)の熊野山の条項に「熊野大神の社坐す」とあり、当時は熊野山(現在の天狗山)に鎮座していたことがわかります。「延喜式神名帳」(927)に熊野坐神社と見え、日本火出初神社とも称され、古来、杵築大社(出雲大社)と並んで出雲の国の大社として鄭重な扱いをうけました。朝廷のご尊祟が極めて篤く、仁壽元年(851)に従三位を、貞観9年(867)に正二位の神階を授与された。中世の頃に熊野山から麓に移る。また、上の宮、下の宮の二社に分かれ奉仕されるようになり、江戸末期まで上の宮には熊野三社権現、下の宮は伊勢宮とも呼ばれていました。殖産興業・招福縁結・厄除の大神として衆庶の信仰が深い。明治4年(1871)国幣中社、大正5年(1916)国幣大社に進列された。しかし、社号は明治の神社制度改正で大社から神社となってしまい、大社号の復活が望まれて久しかった。が、昭和53年(1978)の昭和戊午遷宮で熊野大社に復活しました。昭和53年の戊午遷宮を機に本殿をはじめ諸社殿、境内が一新されました。
古来特に出雲大社との関係が深く、出雲大社の祭祀は熊野大社の「神聖の火(熊野大神の霊)」、燧臼燧杵の神器を拝載する事によってはじまるとされ、出雲大社宮司(出雲國造)の新任時の霊継式(火継)、また年々の当社の鑽火祭に於いて新しいその神器が授与されます。
10月に行われる鑚火祭の亀太夫神事では出雲大社の神職が平身低頭して熊野大社の社人亀太夫から古伝新嘗祭で用いる神器を授けてもらいます。古来からの両大社のつながりの深さがわかる神事です。火の発祥の神社として「日本火出初之社」(ひのもとひでぞめのやしろ)とも呼ばれています。

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▶一の鳥居

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▶一の鳥居を入ったところの狛犬

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▶二の鳥居

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▶「上の宮」跡へは時間がなくて、行けませんでした

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▶八雲橋から意宇川を望む

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▶三の鳥居

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▶大きな注連縄を張った随神門

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▶拝殿。出雲大社と同様に大きな注連縄の拝殿が神域中央にどっしりと構えており、その奥に大社造りのご本殿の屋根が見えます。伊邪那伎日真名子 加夫呂伎 熊野大神櫛御気野命とという長い神名を持つスサノヲノミコトをお祀りしています

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▶拝殿の内部

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▶稲田神社。ご祭神は櫛名田比売命、足名椎命、手名椎命他六社合祀

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▶伊邪那美神社。ご祭神は伊邪那美命他十九社合祀。元々は上の宮の社殿

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▶舞殿。もともと拝殿だった建物を昭和53年に移築したものらしいです

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▶「八雲立つ~」の和歌の歌碑

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▶鑽火殿(さんかでん)。大正4年の造営。
器の火鑽臼(ひきりうす)と火鑽杵(ひきりきね)を保管する建物。燧臼・燧杵は、古代の人々が火を熾す際に使った道具で、古くからのしきたりを大切にする神社の祭りや神事では、この道具を神聖な神火を鑚り出す方法として今も使用しています。
熊野神社では毎年10月、燧臼・燧杵を用いた特殊な神事が行われます。鑽火祭(きりびまつり)と呼ばれている神事で、この日は、出雲大社の宮司が「古伝新嘗祭」に使用する燧臼、燧杵を受け取るために熊野大社を訪れます。この神器を授け渡す儀が「亀太夫神事」と呼ばれるもので、出雲大社が納める餅の出来ばえについて苦情を口やかましく言い立てる変わった行事で、その後に、出雲大社の宮司が神前に進み出て、神歌と琴板の楽に合わせて「百番の舞」という神舞を舞い、舞が終わると宮司が退出し、神事が終わります。
出雲大社の奉祀する宮司(国造)が代替りするときも、熊野大社に参り、熊野の神から拝戴の火切臼と火切杵とで聖火を切り出し,この聖火で料理した神饌を熊野の神に奉り,自らもこれを口にします。また、拝戴の神火はもち帰り、斎火殿(おひどころ)に奉安して国造一生の間絶やすことがありません。国造の代替りは火の継承であるから,神火の拝戴を火継といいます。こうした神火相続の儀は、出雲大社の宮司(國造)が現在も古式のまま継承しています。

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▶稲荷神社

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▶荒神社

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▶荒神社横の御神水。非常においしいお水でした

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▶御朱印。前にお参りしたときに頂いたもので、日付が違います

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コメント

おはようございます。どうか気がついてくださいますように。こうやって、連絡してることを。気がついてくださったら、どれだけ嬉しいことでしょう。

この想い 届け感じて
くれるまで その日夢みし 待つ年月を...

投稿: あさはた | 2017年5月 7日 (日) 08時10分

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